昨日1月13日 本年2回目の釣行に向かった先は無謀にも石狩湾新港の東防波堤先端部。 当初天気予報では低気圧が発達しているとの予報で行く予定ではなかったのだが、夕方いつもの釣具店に仕掛けのパーツを買いに行くと、なじみの店員さんとの釣り談義に花が咲き、ムラムラっと悪い虫が騒ぎ出した。 今年は石狩湾新港で大型のコマイ(オオマイ)が調子良いらしい。 何故か買い物カゴの中にはイソメ2パックが入っており、帰りがけに我がクラブで石狩在住のT名人に℡していた。 帰宅後早々にイソメ1パックを塩〆にして、準備を整え出発したのは21時を回っていた、途中T名人に℡すると既に防波堤に向かって歩いているところだと言う、そして東防は平日にもかかわらずかなりの釣り人が居るとの事。 22時頃に東防の付け根の駐車スペースに到着し、身支度を整えていると横殴りの雪が吹き付けてきた・・・・ 防波堤からは続々と釣り人が引き上げてくる。 防波堤上は波こそは上がっていないものの猛吹雪でキャップライトが吹き付ける雪に乱反射してほとんど前が見えない・・・ 途中前から引き上げてくる釣り人とすれ違ったがその後は誰にも会わなかった。 しばらく歩くと釣り人が一人竿を出していた、そのまま歩き過ぎようとした時、その人が、「○○さんですか?!」っと声を掛けてきてT名人だと気がついた。 何処をどれだけ歩いているか解らない状況の中、先端まで来ていたようだ。 早々にT名人よりポイントのレクチャーを受け竿2本をセットして中りを待つ間、この釣り場の時化た時の風向きとウネリの向き、そして逃げるタイミングの指導を受けていた。
T名人は私が到着する前に既に2本のコマイを揚げており、中りを待つ間下ごしらえを始める。 頭を落とし・・・ 尻尾を落とし・・・ 卵を傷つけないように捌いたのだが、少し産卵してしまったようだ・・・ 捌き終わったコマイを海水の入ったバケツに入れて帰るまで洗浄と血抜きを・・・ 当初東よりの風が吹き吹雪いていたのだが、T名人の予測通り突然無風状態に・・・・ 「風が変わりますよ! ちょうど今、台風の目の中にに入った様な状態です・・・・」 「西風が北西に変わり、もし北風が着いてきたらウネリガ上がって来ますから直ぐに逃げなきゃならんです!」 すると間も無く予言通り無風状態から間逆の北西風が猛吹雪となって襲い掛かってきた! 突然辺り一面が一瞬青白い閃光に 覆われ、まるで昼間の様に全体の景色が青白く目に映った、間も無く雷鳴が轟いた! そんな時、私のロットが激しく揺れだす!落雷の恐怖と戦いながら巻き上げると? 30cmに届くか?位のカジカであった、直ぐにリリースして投げ返す。 その後も数度、閃光と雷鳴が轟き横殴りの雪は容赦なく襲い掛かって来た、そして突然吹き付けていた風が勢いを増し、海水を汲んだバケツをぶら下げていたステンレス製の立ち込み三脚が、ロットと共にぶっ飛ばされた。 同時にロットケースが防波堤上を走り始め、あわてて飛びつきその場に伏せた!起き上がると風の勢いで身体が飛ばされそうになる。 這いつくばったまま荷物の有る場所に戻ると、T名人もロットを飛ばされ這いつくばって荷物を抑えていた・・・ 「帰りましょう!」っとT名人が言う間も無くロットを手繰り寄せて、リールの手前からラインを切り急いで荷物をまとめようとするのだが、益々勢いを付けて来た雪と風に視界を遮られ手元が覚束ない・・・最悪道具を放棄して逃げなきゃならんな!っと考えつつも乱暴に荷作りするものだから背負子のバックルが壊れてしまった。 それでもなんとか荷作りを終えた所に、ザバーっと潮が降りかかって来た。 こうなると帰りの防波堤上も非常に恐怖だ、吹雪で海が見えず波やウネリが、いつ何処から襲い掛かるか解らない・・・ やっとの思いで最後の難所V字型に防波堤と防波堤が付合わさった所にたどり着き、そこを飛び越え防波堤を降りる梯子にたどり着いたが、下は波が押し寄せていた。 先に下ろしたロットケースが波に流されかけたが、事なきを得て命からがら車にたどり着き荷物を積み込んでいると、車まで潮を被り出した。 何とか帰路に着く事が出来たのだが、問題はまだ残っていた! 完全にホワイトアウト状態で吹雪に視界を遮られ、一気に積もった雪は帰りのルートを覆い隠してしまっていたのだ。 日産の4WDトラックに乗ったT名人が先行して、4WDとは言えセダンの私は後に続いた。 猛吹雪で周りが見えない中テールライトとタイヤ痕だけを頼りにT名人に続いたが、突然T名人の車の動きが止まった。 吹き溜まりにはまりスタックしてしまったのだ、車を降りて吹雪の中目を凝らすとどうやらかなりルートを外れて土手に近づいてしまっていたようだ。 吹雪が更に地吹雪となり、吹き溜まりがどんどん大きくなってゆく中、懸命に脱出を試みるが車はどんどん深みに嵌って行き、どん亀状態! こうなると下手にもがくと余計に深みにはまるのでスノーヘルパーを噛ましてスコップで車の掘り起こしにかかった。 既に私の車は後方からの風雪で後ろが埋まりかけている、少し動かしてみたがやはりスタックしてしまっていた。 頼みの綱はT名人の4WDなので、先ずはそちらを出すことに専念し二人で車の下の雪をスコップで堀っていると、カクン!っと車が下に下がった、ヘルパーをセットしなおしT名人が車に乗り込みバックギアに入れアクセルを踏むがやはり車輪は空回り、そこで私が前に回りこみボンネットに手を掛けて満身の力を込めて押した! ググググッ、、、動いた!何度か車をゆすり完全に脱出成功。 しかし、ルートを外れていたのでもはや前進は不可能、後は再びスタックさせないように前進後退を繰り返しながら少しづつ方向転換し来た道を戻り、正しいルートを探さなければならない。 何度もスタックしそうになりながら、やっと方向を変えることが出来たので、私は自分の車を見失わないように車のライトを点けっぱなしにしてT名人の車に乗り込み再び来た方向と思われる場所に向かった。 吹雪もやや収まりなんとか視界が出来て、やっと帰りのルートを見つける事が出来た、そして再び私の車を回収しにワダチに沿って走らせ、雪に埋もれた私の車に牽引ロープを付けて引き上げた。 安全な場所までずーっとバックで引っ張られながら走るのだが、窓を開けてたりしていたのでリアウインドウに雪が吹きつけ内側に水滴が付き見えない、地吹雪が舞う中窓から頭を出してT名人の引っ張る車の後に続くのだが目が開けていられない。 やがてハザードとクラクションの合図でT名人の車が止まる。 安全地帯にたどり着いたのだ。 牽引ロープを外し今度は私が先行した、万が一スタックしてもT名人が行動可能であれば脱出しやすいからだ。 途中山のように吹き溜まりが出来ていたが、ここは躊躇せずに一気に加速して突き抜けた、一瞬で視界が雪の中に埋もれたがやがて車は道えのアプローチにたどり着いていた・・・・ 自動販売機で温かいココアをおごって頂き、本日の釣行の教訓と反省を語り、帰り際にT名人より仕掛けを頂きました。
【意外に食いが良いという小型三角ピン使用の胴突き2本バリ仕掛け。】 これは【遊動天秤を用いた吹流し2本バリ仕掛け】のハリス部分で、カレイ釣りの時は左端に写っているフロートを外して使用すると良いそうです。 これが自作遊動天秤部分 吹流し遊動天秤仕掛けは全体に仕掛けの全長が長くなる為、投げる際慣れが必要だが食い渋りには有効な仕掛けだそうです。 いずれの仕掛けもステンレス線の細工が素晴らしく、綺麗な仕上がりでこのような仕掛け作りを目指したいものです。 T名人いつも本当にありがとう♪ 怖かったね、、、でも良い教訓になりました。 休日に釣りに出かけたいが、天気が悪い、、、ギリギリ何とかなるか? ついつい無理をしてしまう・・・・・ 昨年の苫小牧での事故で思ったのは、自分があの時その場に居たら”はたして釣行を断念”しただろうか? そんな疑問が頭をよぎりました・・・ 決して他人事ではなく、たまたまその場に居なかっただけ!かもしれません・・・・
by ssc-nao
| 2010-01-14 19:32
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